Good job プロジェクト, 未来の新たな”はたらくカタチ”
Wao!考えるな、感じろ―日光街道「太陽のもとのてらこや」ふりかえりワークショップからみえてきたもの
今回のJES新年会では、第一部として、でじでじさん(藤村義樹さん)をファシリテーターにお迎えし、「日光街道ふりかえりワークショップ」を開催しました。
実は、17回続いてきた日光街道イベントの中で、このような形でじっくりと“ふりかえり”を行うのは初めてのこころみでした。

日光街道イベントは、日本橋から日光東照宮まで約147kmの道のりを、5日間に分けて歩いていく活動です。徒歩行軍コースに加え、地域や文化に触れながら巡る「まちあるきコース」もあり、毎年さまざまな人が関わりながら続いてきました。
しかし、この活動について「なぜ参加しているのか」「なぜ歩くのか」と問われると、実はうまく言葉にできない場面も少なくありません。
「なんとなく惹かれて参加した」
「歩くと気持ちいい」
「うまく説明できないけれど、また行きたくなる」
そんな感覚を持っている人が多い一方で、その“何か”を深く言葉にする機会は、これまであまりありませんでした。

今回のでじでじさんのワークショップは、まさにその「言葉になる前の感覚」を、色や対話を通して掘り起こしてみよう、というこころみでした。
冒頭、でじでじさんは、アーノルド・ミンデルのプロセスワークから「3つの現実」という考え方を紹介してくれました。

一つは、数字や結果、ルールなど、誰もが確認できる“合意的現実”。
もう一つは、感情や気持ちなど、見えにくいけれど確かに存在する“ドリーミング”。
さらにその奥には、文化や空気感、場の雰囲気のような“エッセンス”がある、と。
私たちは普段、どうしても「結果」や「数字」の世界だけで物事を考えがちです。しかし日光街道には、それだけでは説明できないものが流れているのではないか。そんな問いかけから、ワークショップはスタートしました。
JES理事長の金野からも、あらためて「日光街道とは何なのか」をお話させていただきました。
日光街道には、「147kmを5日間で歩く」という明確な行程があります。集合時間も、ゴール時間も決まっている。特に徒歩行軍では、「この時間までにここへ着こう」という秩序や構造がしっかり存在しています。
一方で、その行程という枠組みの中では、毎回まったく違う出来事が生まれます。
足が痛くなった仲間に声をかけること。
「あと少しだから頑張ろう」と励まし合うこと。
時間が限られる中でも、「ここだけは立ち寄りたい」と皆で景色を味わうこと。
歩きながら、普段なら話さないようなことを自然と語り合うこと。

そうした機械的な側面と生成的な側面とのあいだにおいて、混ざり合いや重なり合いが起き、後から「ああ、こういうことだったのか」と身体で意味を感じていく。日光街道とは、そんな活動なのかもしれない―。この一年で感じていたことをお伝えさせていただきました。
ワークでは、まず参加者一人ひとりが「足跡」の紙に、自分の感覚を色で表現していきました。足跡は私たちの活動の象徴でもあります。

楽しかった気持ち。
不安だった気持ち。
混ざり合う感覚。
緑の景色。
疲労感。
美味しかったビール。
人とのつながり。
歩いた先に広がっていた世界。
でじでじさんは、「みんな正解です」と何度も伝えてくれました。

「もう嫌だと思った」も正解。
「楽しかった」も正解。
「疲れた」も正解。
その言葉があったからこそ、参加者それぞれが安心して、自分の感覚を表現できていたように思います。
その後、グループごとに対話を重ねながら、日光街道を表すキャッチフレーズも考えていきました。
「Wao!」「歩くとわかる」「混ざり合う」「大人の遠足」「考えるな、感じろ」。
そんな言葉が、多様な参加者、しかも日光街道イベントに参加した回数も密度も異なる人同士の中から自然と生まれてきたことも、とても印象的でした。

今回のワークショップでは、「日光街道とはこういうものだ」という一つの正解を決めたわけではありません。
むしろ、それぞれが感じていたこと、見ていた景色、抱えていた思いを持ち寄り、「違い」を知り、「混ざり合う」時間だったように思います。
歩くことでしか見えない景色がある。歩くことでしか生まれない対話がある。そして、歩くことで、自分の中にある感覚に気づいていく。
このワークショップを通して、日光街道という活動の中に流れていたものを、少しだけ皆で言葉で表出させることができたように感じています。
今年の11月の日光街道イベントではどのような物語りが生まれてくるか。
またそれぞれの“感じる”を持ち寄りながら、皆で日光街道を歩いていきたいと思います。
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