Good job プロジェクト
「人」のつながりを感じた街歩き
私は、今日の関宿城博物館や境町を巡って、歴史には「人」の存在が不可欠であるという事を実感しました。まず、関宿城博物館では、川を移動した大事業についての歴史を学びました。
私達が日常目にしている川というものにも、川を中心として、集落や関所などが作られ、川を移動する事業という大プロジェクトに対しても、その地域の人の助けや努力によって作られていく。歴史というのは、「人」というものなしでは、語れないという事を実感しました。
そして、その「人」にとって重要なものである川という存在。その川は、今は釣りをしていたり、川遊びをしたりという実態があるのかもしれません。しかし、その川というものには、特に今回学んだ利根川には、氾濫を起こし続け、その周りの人を苦しめていたという歴史があります。その歴史の中で、江戸時代という、現代のように便利な自動的に機械がない時代に、小さな舟を使いながら、一つ一つ手を使って川自体の位置を変えていくのです。
それを変えるという作業をするのは、もちろん人の手が必要です。そしてそこには、「この利根川が氾濫をしないように、どうにかしよう!何かできることはないか!」という熱い思いがあり、一人一人が川の移動に携わっていたのではないかと考えます。
そして、その利根川の移動する過程の歴史を教えてくれた学芸員の方のお話の一つ一つが、私達を利根川の歴史の世界へ導いてくれました。その方からも、昔の利根川の工事をした方のように、利根川や関宿という町に関する歴史への熱意を感じる事ができました。川の場所を移動しなければならない理由や関宿周辺に住んでいた人々の歴史。なんら変哲のない道にも、そこには歴史の跡が隠されている。それが気になる方は、ぜひ関宿博物館に訪れてみてください!日常生活を見る視点がきっと変わります。
次に訪れた場所は、境町です。境町は、千葉県と茨城県の県境の近くにある町です。この町は、過去、今、未来をつなぐ町であると感じました。それが、地域の方々のお話を聞くことで、明らかになっていくのです。その舞台となったのが、自動運転バスです。境町は、日本で唯一完全自動運転のバスが走っている地域なのです。危険を察知し自動で停止したり、周りを見ながら、人間のように運転することができます。運転免許を取って1週間で車をすってしまった私よりも、確実に運転が上手なことを実感しました。
近未来の乗り物に乗りながら、地元の案内人の方にお話しをお聞きしました。その話の中で、境町は、最寄りの駅からバスで、30分程度かかるのにもかかわらず、あえて鉄道を通さなかったという事を聞いて驚きました。鉄道を通さなかったという背景には、その地域が誇りにしていること。つまり、水運の発達という理由があったのです。境町には、大きな川があり、昔、水運業が発達していました。その水運業を中心として、街が形成されていきました。そこには、時代が積み重ねてきた人々の想いや誇りがあるのではないかと考えられます。その理由として、鉄道という新しい技術を拒んだのではないかと予想ができます。鉄道の敷設を拒否したという事実を知るだけではなく、なぜ拒否するに至ったのかという背景を知る大切さも知ることができました。そして、自動運転バスという近未来なものと歴史が、交差しているように感じました。
最後に、境町にある今も昔も変わらなかった風景について紹介させていただきます。それが、「人」の存在です。水運業には、舟を導くための人がいます。そして、自動運転バスにもバスが正常に運行できるようにサポートをする人がいます。この2人には、共通点があるのです。それが、「案内人」としての役割です。そして、昔でもあっても、今であっても境町には、「案内人」を中心とした人々のつながりが溢れています。ずっと昔の水運業であっても、境町の今の地域の話をしたり、今の現状を話したりなどの対話が繰り広げられていたのではないでしょうか。その一方で、自動運転バスであっても、そのバスに乗車することで、その人を中心とした人のつながりが作られます。高齢者や子ども、観光客などがそのバスに乗車をし、「案内人」の方を中心とした人同士のつながりが作られるのではないでしょうか。今回の境町の街歩きを通じて、昔から現代へ続く人のつながりを感じることができました。