Good job プロジェクト
「さとのば大学」に学ぶ 日本の未来を変えていく新しい学習コミュニティ~「あるもの探し」で自分や環境の捉え方を変える~
(有)人事・労務や日本ES開発協会の活動にインターンとして関わらせていただいております、横浜市立大学国際教養学部1年の森愛里です。
「太陽のもとのてらこや」1日目に、株式会社アスノオト代表取締役の信岡良亮さんにオープニングセミナーを行っていただきました。そのお話のなかで感じたことや学んだことを共有させていただきたいと思います。
私は「学ぶ」ということに関してどこか退屈な、みんなで机に向かってするようなイメージを持っていました。ですが今回のお話は、私の考えを根底から覆すような内容で、驚きと発見の連続でした。
まず、「さとのば大学」について。2019年からスタートした4年制の大学で、日本全国の地域をめぐりながら学びを深めていきます。地域の人と関わりながら「暮らす」ということを体感し、少子高齢化などの社会問題を身近なものとしてとらえることが出来ます。実際に自分の体で地域に出向くので、学びの内容は人によってさまざまで、設定された25の地域をめぐる順番も人によって違うそうです。みんなで同じ内容をなぞるのではなく、人によって学ぶ内容が違うというのがとても興味深かったですし、私の実体験としても、教室で受けた授業よりも遠足や就学旅行、社会科見学など、自分の足で実践的に学んだ内容の方がずっと鮮明に記憶に残っています。生徒が退屈せずに楽しく学べるだけでなく、より多くの学びや発見が得られるシステムだと感じました。
また、お話の中で特に印象的だったのが「あるもの探し」についてです。人は「ないもの」について考えがちで、どうしてそれが自分に備わっていないのだろうかと、ネガティブに考えてしまいます。しかしそれは、自分にはあまり関係のないものであることが多いのです。例えばある田舎で「高いビルがない」「大きな商業施設がない」などの不満があったとします。それが全くその地域に関係のないものなのかどうかは見方にもよりますが、田んぼがずっと続くような田舎道に突然巨大なビルが建つというのは現実的ではありませんし、それよりもそこに備わっている自然や畑などのほうが、その地域の人と密接に関わるものです。田んぼや畑が多くある田舎なら、そこに住む人たちは地域で採れた米や野菜を食べて生活しているかもしれませんし、そこに広がる自然に魅力を感じて移住してきた人もいるかもしれません。自分に紐づいた「あるもの探し」がとても大切なことなのだと実感できました。
私も自分にないものについて考えて、人を羨んだり、どうして自分はこうなのだろうと落ち込んだりすることがありますが、私にはこんな特徴がある、こんなことが得意だと考えると、気分も明るくなってより前向きに物事に取り組めるようになりました。学生の間も、社会人になってからも心がけていきたい考え方です。
能動態・受動態の真ん中の中動態に関するお話もありました。能動態は自分が動く、他者と関わるというよりは自分が重視され、受動態は逆に他者に物事を与えられる、他者を重視した考え方です。この真ん中の「中動態」は、単純なする・されるの枠組みには入らない状態で、自分だけが動くわけでもなく、他者の下に自分がいるというわけでもなく、共に成長を見守り合うフェアな関係です。立場は違っても同じ方向を向いて歩きます。これは学びの場だけでなく、働いたり人と関わったり、どんな場面においても大切なことだと感じました。
全体を通して実践的なお話が多く、自分の私生活にも取り入れていきたいと思う考え方が多くありました。今回のセミナーで学んだ「あるもの探し」や「中動態」などを心がけて、これからの学校生活や人との関わりをより有意義なものにしていきたいと思います。